
ハワイ島の自治管理組合 (2)


ハワイ島プナ地区に限らず、ハワイ島の分譲地には自治管理組合があります。
自治管理組合と言うと、もしかしたら日本でのマンションの管理組合や町内会のような組織をイメージしがちですが、ところがハワイでのそれは郡政府や州裁判所から正式に認可された公的な機関です。
ですから自治管理組合は所有者の区画に抵当権をつけることもできます。
そういう強権についても裁判所からはっきりと認められております。
つまりハワイで言う自治組合とはいわば本当の意味での小さな政府なのです。
しかしながらその権限が強力な割には、運営については地域に住まわれる住民達だけで、しかもほぼボランティアで運営しています。
分譲地内に不動産を所有する人たちから管理組合費を集め(組合費といっても、これも裁判所で決められた所有者の義務です。だからこれは任意ではなく強制です。)規約をつくり、分譲地内の道路舗装(もしくは未舗装道路の整備)をし、少ない予算内で住民の暮らしを出来る限り向上させます。
そもそもプナ地区の分譲地はリゾート地域ではありませんから、管理組合費もそれほど高額ではありません。
年間100ドルか300ドル前後という地域が多いです。
このような限られた予算ですから、コナ側のリゾート地のそれのように目に見える設備投資は到底出来ません。


自治管理組合は所有者の敷地には基本的に関与しません。
(※しかし止むを得ない場合、例えば隣家に被害を及ぼす樹木などを放置し、またそれについて警告をしてもそれを無視した場合、組合が業者に依頼し樹木を伐採しその請求書を所有者宛てに送ることはあります。)
業務内容は、公共物である区画の際の部分の樹木を整備することや、そして道路のメインテナンスをし、未舗装の道を舗装道路にすることなどです。
限られた予算ですので、やること、やれることは、その程度です。
では会費を上げれば良い気もしますが、そうするとほとんどの住民は真剣にそこを離れて少しでも安い会費の分譲地や、自治管理組合の無い分譲地(しかしこういう分譲地はご想像のように、不動産は極端にタダ同然に安いですが、当然市場性もなく、また治安の面でもかなり問題のある地域ということです)を捜すことを考えるでしょう。
年間僅か300ドル(約3万円)ほどの管理組合費の分譲地です。
想像してみて下さい。
そういう地区に暮らす地元住民たちの多くは決して経済的には豊かとは言えないのです。
当然、田舎暮らしを求めてそこで海外ロングステイしようとされる日本人所有者の方とは違い、彼らにとってそこは別荘地なんかではありません。
極論を言うと、彼らはそこにしか住む場所がない人たちなのです。
だからもし自治管理組合の負担分が、今後もし年間たった100ドル(一万円程度)でも値上がったら、本気で引越しを考えざるを得ない人たちがそこで大勢暮らしている、プナ地区とはそういう地域なのです。
この地域の経済レベルはいわばサトウキビの時代と何ら変わっていないのです。


もし自治管理組合費というものの意味について誤解されている所有者の方がいて、今までこの費用を滞納していらっしゃっていたとしてら、将来不動産を売却される時には、この費用についてはハワイの法律に則り、エスクロー機関(ハワイの公的登記機関)を通じて強制的に差し引かれることになります。
そしてそこには延滞利子や反則金も当然たっぷりと加算されることになります。
でも決して誤解の無いように、、、。
自治管理組合があるということは、本来は良いことなのです。
年間たったの300ドルほどの負担で、区画の監視をしてくれている(ですから区画に問題がある場合には組合からまず手紙が届くのです)、道路の補修をしてくれている。
つまり、総合的に分譲地の価値を高めてくれている、それが自治管理組合の役割です。
ハワイ島にもごく稀に自治管理組合の無い分譲地も存在しています。
更には郡や裁判所の認可がまだ下りていない組合を持つ分譲地も、数こそ非常に少ないですが未だにあります。
でもそういう地域の不動産の市場性については、当然言わずもがなです。

ハワイ島プナ地区はお好きな方にはたまらない、自然に溢れたすばらしい場所です。
これぞ本当のハワイと感じることの出来る場所です。
さて、その場所でどういう不動産を取得するか、、、。
分譲地による不動産価格の差がさほど大きくないだけに、安心して住める、そして市場性の高い不動産を是非とも選んでいただきたいと思っております。