ハワイ島の自治管理組合についてのコラムです。

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ハワイ不動産情報とコラム

ハワイ島の自治管理組合 (1)

ハワイ島の自治管理組合(1)

一般にハワイ島東側ヒロ側と称されるここプナ地区では、辺りの土地は全て「生土地」です。

この地域は樹木が生い茂る、原生林、言葉は悪いですがジャングルのような区画です。
電気や水道などのインフラは、いざ建築をする段になって初めて近くの接続線から引っ張ってくるという区画です。

道路に小さなピンがあるのでかろうじて隣地の境が分かるようなもので、でも区画の奥の奥がどうなっているかは外から見ただけでは分からない亜熱帯のいわゆる本当のハワイの場所です。

通常ハワイ郡(ハワイ島)の集落のほとんどは自治管理組合により運営されています。
これはもともと道路整備特に舗装のためのものです。
実は今尚ハワイ郡東側のプナ地区では舗装道路の集落が全てというわけではありません。でこぼこ道の道なき道の集落は決して少なくないのです。
そしてそのためにそこに実際に住む住民からの割符金により道路整備をします。これが自治管理組合の成り立ちです。

そしてこの割符金はこのような生活に必要不可欠なもののためという性質上、自治管理組合には州の裁判所から強権を与えられています。つまり割符金を納めない区画には抵当権をつけることができ、そして強制的に競売措置にもすることもできます。正に小さな政府そのものなのです。

実際ハワイ郡プナ地区のほとんどの集落にこの自治管理組合があります。
そしてたとえば「生土地」のある区画のその生い茂った樹木が隣家などへ被害を与えようとしている場合、自治管理組合はその土地のオーナーへ警告を与えます。
実際には手紙を書きそして危害を加えそうな部分の樹木の伐採を要求します。そして万一それに従わなかった場合は自治管理組合は勝手に業者を選定しそして伐採を行い、そしてその費用にペナルティー分までのせ、オーナーへ請求します。

そして万一それでも支払いがなかった場合には抵当権の設定、そして競売措置へとなります。
更にはハワイ州の法律では、万一競売してもその費用が弁済できなかった場合には、その差額分は引き続きますので、ゆくゆくはハワイの裁判所から日本のオーナー宛に召還状が届くことになります。

さてここでもう一度「管理」の話をいたしますが、つまりこのような事情から、民間会社ではこの自治管理組合と同じようなことができません。

たとえば樹木が境界線を越えてトラブルとなったとしても、民間の不動産会社では強制的に相手の木を切ることはできませんので、結局はオーナーがするのと同じように隣家のオーナーへ手紙を書くか、被害が確定してからようやく裁判所なりに訴えることしかやりようがありません。

自治管理組合なら絶対的な権限がもともと裁判所から認められているので、そのような私闘にも介入できますが、民間企業では当然そんなことはできません。

したがって本来「生土地」の「管理」などできることなどまったくないのです。

日本のように整地されインフラが整いロープで囲われ、そのような不動産用地なら看板でも立て見回りもできようものですが、原生林にそれを求めることはできません。
まして何か起こったときに民間企業では結局何もできないんですから、今現在されているという管理同様、ただの無駄な出費となるでしょう。

気分を害されるでしょうが、それはまるで管理されていると思うことで得る安心、でも実際には固定資産税の代理支払いをするだけのために毎月毎月安くないお金を支払うこと、やはりどう考えてもこれは無意味でありますし、第一ただそれだけの為にこれだけのお金を、、、というのはあまりに無駄だと思います。しかも挙句には全ての情報まで遮断されてしまっているのです。

そもそも土地の管理とは、いったい何をするのでしょうか?
(皆さんはそこにいったい何を求めるのでしょうか?)

仲裁権や強制力の持たない民間会社がする管理とは、いったい何なのでしょうか?
(現実に何の権限も行使力ないそこへ、何を期待するのでしょうか?)

もしそれがただ固定資産税の支払い代行のためだとしたら、、、、、そのようなことは今後はどうかオーナーご自身でするようにして欲しいと思います。
(もちろんそのためのお手伝いはいたしますので、)

そもそも過日倒産した例の日本にあったハワイ島不動産会社をめぐる訴訟問題の原因の多くは、全ての情報や各種手続きの内容をオーナー自身が一切把握することなく、まったく関わることなく全て完全委任という異常な状況下で行われた結果からというのが現実でした。

もちろんこれにはオーナー自身のやむを得ない事情も多々あったことだとは思います。
だからこそ今後は、まずはせめて情報の入り口と出口だけはご自身を通じて行うようにしていただきたいと願います。

その上でもし例えば英語のこととか、ハワイ州の専門的なこととかでご理解に苦しむようなことがあった場合に、その都度我々業者を利用していただければと存じます。

それは一見面倒に思えるかもしれませんが、結果的にはそれが自身の身を守ることにもつながりますし、そもそもそういう行為も含めてのロングステイだったはずです。

ハワイ島の自治管理組合(1)

ロングステイには人の数だけそれがあります。彼の求めるそれと彼女の求めるそれが違うことは当然です。ですからまず漠然とでもいいのでご自身のされたいロングステイのイメージを浮かべ、そのために必要なものやことに対して我々業者を利用していくように、どうかしていってください。

変な業者ほどまず自分のイメージの中へお客さんを啓蒙し誘導し先導していくものです。その方が彼らにとり都合よく商売ができるからです。

ですからまず自分が本当にやりたいロングステイをイメージして、そこから全てを始めるようにしていくことが、結果妙な業者から身を守れる術のような気がします。
民間会社との「管理契約」を中止したい場合、そもそもそのことをその会社にわざわざ通知する必要はないのです。

オーナー自身が、オーナーの権限により、自身の住所を監督役所であるハワイ郡、及び自治管理組合へ届けるだけです。ですから今後はそれまでの届出住所であった民間会社宛に今後は何一つ情報は届くことはなくなります。

それで全ては終わりです。

オーナーが自分の不動産に関する全ての情報を自身の住所へ届けてもらうこと、それがもっとも自然な形です。

今回住所を自身のものへと変更され、そして今後万一何かの他の件で隣接区画などから手紙などが届くことがありましたら、その都度たとえば「相談室」や他に業者へご相談下さい。

問題が起った場合にはその都度対処してまいりましょう。(一見面倒に思えるかもしれませんが、実はこの方がオーナーにとっては簡単で、しかも安上がりですし、何より本当のことを自身で把握することができます。)

繰り返しますが、自治管理組合のない地域の私闘には介入は誰もできません。民事不介入です。
ですからたとえばオーナーが弁護士を雇い隣の土地へ何か文句を言いたいことがあったとしても、当然弁護士であっても強権発動は認められていませんから、できることはオーナーの意思を伝えるだけのことです。そして実際に訴訟となるのは何か本当に起こってしまったときだけということになります。

しかしながらそれは日本でもそうですが、そういうことが起こるのはしごく稀なことですので(つまり普通にしていればまず起こらないことです)、わざわざその時の為に日々心を痛めたり、無駄な出費を続けることは、おそらくそちらのほうが損害です。